【呼吸力について】
当会では一般的な筋力とは別の力として、呼吸力を重要としています。
呼吸力は身体を一つに纏め、衝突しない体を実現します。
身体を一つに纏めるとは、一般的に言われる統一体と同じだと認識しています。
肚をつくる空手(沖縄古典空手)は呼吸により体を統一させます。
体を一つに纏めるために、サンチンの型は非常に良くできています。
サンチンの型で用いられる呼吸法は”圧搾呼吸”です。
この呼吸法は吸うことを意識しません。
息は吐いたら吐いた分だけ勝手に入ってきます。
師匠からの口伝に「八割い吐いて二割残す」があります。
全部吐き切ると、勝手に入ってきません。
【サンチンの型で練る”呼吸力】
サンチンの型は、地面を蹴らない、支点を作らないなどの効率的な身体操作だけでなく、意識的に行う”圧搾呼吸”、所作(挙動)による”身体の呼吸”、目付による”統一体”が含まれています。
※これら全てに型が要求する姿勢(立ち方)が重要になります。
肚をつくる空手(沖縄古典空手)は、一般的な空手とは型稽古の趣旨が大きく異なります。
型で身体を作りかえるのが目的です。
ですから、サンチンの型は呼吸を見せて行います。
「型稽古の目的は身体を作りかえる」なので、意識的な圧搾呼吸が必須になるのです。
しかし実戦での呼吸は自然(無意識)です。
身体が作り変わっていると、無意識でも理想的な状態を維持できるからです。
無意識で理想的な状態とは?
常に体が一つに纏まっている状態です。
この状態を目指して稽古しいています。
当会では体が一つに纏まっている状態=統一体=呼吸力としています。
前述のように呼吸力には、意識的な呼吸+身体の呼吸+目付けによるものが含まれ、意識的なサンチンの型稽古を繰り返すことで、無意識(自然体)に落とし込みます。
【呼吸力と筋力の大きな違い】
《呼吸力》
呼吸力で技を掛けると、掛けられた相手も体が一つに纏まります。
統一体が写ることで、掛けられた相手の体も強くなります。
不快感はなく、むしろ心地良いです。
不思議なことに統一体は、非接触でも写すことができます。
体が一つに纏まっているので、それは崩れ方(やられ方)に現れます。
技を掛けられた人は、一つの塊のように崩れます。
《筋力》
筋力で技を掛けると、掛けられた相手も体がバラバラなので、衝突が生まれます。
ですからスポーツの世界では、より強い筋力で対応しようという発想に至ります。
しかしランニングや筋トレは呼吸力とは真逆の事をしていると言えます。
技を掛けられた人も体がバラバラなので、各関節が柔軟に対応して踏ん張ることができます。
【外と内の比率】
効率的な身体操作の殆どが”筋力”です。
しかし身体操作が全く無意味かといえば、そうではありません。
伝統の型による身体操作=所作(挙動)による”呼吸力”が含まれるからです。
たとえば所作(挙動)が「外」だとしたら、「外」により「内」が作られます。
「外」=身体操作=所作(挙動)
「内」=肚(ハラ)=呼吸力
サンチンの型で例えると、繰り返し型を稽古することで、最初はサンチンの「外」が作られます。
正しく型稽古が進むと、サンチンの「外」からサンチンの「内」が作られます。
「内」が作られると、今度は「内」が「外」に影響を及ぼします。
稽古が進むにつれて、「外」よりも「内」が重要になります。
サンチンの型は「外」から「内」を練るのに最適な型です。
これを飛ばして他の型を稽古するのは非常に効率が悪いです。
そのため、当会では必須の型として位置付けています。
型により「外」と「内」の比率は異なりますが、最終的には全ての型の「内」の比率を上げることが稽古の目的になります。
【呼吸力の検証】
当会では身体が統一された状態かどうかを確認するために、 ”呼吸力による「崩し」”を行っています。
ただし、これは武術の技そのものではなく、あくまで身体の状態を検証するための手段です。
この点を誤解すると、部分だけを切り取った「効く・効かない」といった低次元な議論に陥ってしまいます。
”呼吸力による「崩し」”は、あくまで統一体の検証です。
実戦では呼吸力だけでなく、型で練られた全てが無意識で使われます。
※型は実戦の雛型ではない。
これを理解できないと、呼吸力(統一体)だけでなく、武術空手を理解することは難しいでしょう。
販売用動画”空手の呼吸力”(上巻・下巻)
「空手の呼吸力(上巻)― 圧搾呼吸とは?」 空手の呼吸力とは、身体を統一し、衝突しない身体を実現します。 筋力とは異なり、加齢によって衰えにくいという特徴があります。 これは武術空手において必須となる重要な要素です。 本動画では、身体が統一された状態かどうかを確認するために、”呼吸力による「崩し」”を行っています。 ただし、これは武術の技そのものではなく、あくまで身体の状態を検証するための手段であることをご理解ください。 この点を誤解すると、部分だけを切り取った「効く・効かない」といった低次元な議論に陥ってしまいます。 検証は検証として行うものであり、実戦においては身体操作・呼吸力・その他すべての要素が総合的に活かされる必要があります。 それでもなお、呼吸力は武術空手において欠かすことのできない技術です。 この本質を理解できる方は、確実に上達していくでしょう。
